著者の仕事と、本作りの流れ

本ができるまで

原稿をまとめよう

出版企画をまとめる

戦略目標のない出版計画は、闇夜に鉄砲を撃つようなものです。
訴求すべきテーマと明確な読者対象設定が、本づくりの出発点です。
出版企画の主な要点整理は、下記のような書式で行っています。

目次を整理する

出版企画に基づいて、全体の構成を考慮して目次案を作ります。
大項目(章)、中項目(節)、小項目(項)の順に列記します。
読者の興味をそらさないような起承転結や文章の流れが欠かせません。
このあと執筆を進めながら、常に目次に立ち返ることも大切です。

執筆内容を箇条書きする

目次に沿って、その項目に何を書き込むかを箇条書きします。
常に全体像から細部を決める。これが本にする原稿の基本です。
同時に、無駄なく無理のない、訴求すべきテーマの追及です。
書きたいこと、キーワードなどで、目次の行間を埋め尽くします。

本にする原稿を執筆する

実はもう既に、本にする原稿執筆の7割は終っています。
目次案と各項目への収録内容の箇条書きが、原稿執筆の要諦です。
プロのライターならば、すでにこの段階で仕事が終わったようなものです。あとは要領良く、キーワードを繋いでいけばいいだけです。

原稿を整理する

一旦原稿を書き終えれば、次に原稿整理を行います。
原稿整理の最大の要点が、無駄を捨て去ることです。
より的確で簡略な表現方法へと置き換えていきます。
併せて、一冊の本として過不足がないかもチェックします。

編集者との調整

編集者は本作りのプロであると同時に、最初の読者です。
読者目線での、加筆訂正の依頼もあるでしょう。
印刷効率やレイアウトを考えての構成の変更もあります。
同時に編集者の方でも、用語の統一などを進めます。

出版計画と契約書

体裁を決める

この段階で出版社から著者へ、概算見積りと合わせた造本仕様の提案です。
執筆テーマから類推してブックデザイン(判型や造本仕様)を決めます。
印刷製本のための費用対効果を念頭に、最適ページ数を割り出します。さらには出版社から、書店販売等についての条件提示です。

悪しき前例は断ち切ろう

つい最近までは、契約書不要の口約束が出版業界の常識でした。
村社会とも言われた狭い業界だからこそ通用した商慣習です。
それにしては複雑すぎるのも、出版業界の様々な商慣習でした。
今では、その実態さえ知らずに口約束で誤魔化す社員もいます。

契約書を交わす

主には、著者の権利を守るのが出版に伴う契約書です。
費用、経費の明示に始まり、お互いの責任の明確化を行います。著者にとって大切なのは、著作権と出来上がった本の所有権です。
「見積り明細書」「制作受託契約書」「販売委託契約書」 この3点を曖昧にする出版社は敬遠すべきでしょう。

本の制作工程と著者の仕事

出版社のDTP作業と著者校正

完成した原稿は、編集者の原稿整理と組版指定を経てDTP作業に入ります。
DTPとは、Desktop publishingの略で、印刷仕様のデータ作成作業です。
この作業のあと、ページアップ(印刷仕様で作成)した校正ゲラが出て来ます。
いわゆる著者校正ですが、校正の機会は、初校・再校と2度あります。

カバーデザインを考える

DTP作業や校正と並行して、カバーデザインを考えます。
専門のデザイナーの仕事ですが、ベースは著者の要望と出版社の意向です。
3案ほどデザイン提示してもらい、選別した上で改善点を指示します。
さらに本文の校正と同じようにカバーに記載された文言の校正をします。

編集者の仕事

著者校正と並行して、編集部でも校正します(「内校」と呼びます)。
著者と同じく初校と再校、そして修正箇所の確認のための「念校」です。
さらに製版上のチェックのための「プルーフ校正」です。
並行してデザイナーと共に、カバーの「色校正」も行います。

本が出来上がった

最初に見本が出来上がってくる

最初に見本用として約50冊が印刷製本されて出来上がります。
これは書店流通のために、主には出版取次などへ見本として提供される分です。
ここで新刊本として登録され、全国の書店やネット書店での取り扱い開始です。
アマゾンなどのネット書店でも、約1週間で取り扱いが始まります。

本が売れない時代だからこそ

店頭に並んでも、それだけで売れるほど甘い時代ではありません。
やはり一冊一冊の本の最大の営業マン、広告塔は著者自身です。
芥川賞作家の羽田圭介さん言っていました。
「出演料なんて情けないぐらい微々たるもんですよ」
「それでも死に物狂いで露出しなければ、本は売れません」

どのようにすれば読者を振り向かせることができるか?
これこそが、著者と共に考えなければならない最大の課題です。

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